2020年1月21日

OBC-UTM、イスラム法に準拠したデジタルコイン研究成果を発表

日本初、最大級のQ&Aサイト「OKWAVE」を運営する株式会社オウケイウェイヴ(本社:東京都港区、代表取締役社長:松田 元)のブロックチェーン開発部門であるグループ会社のOK BLOCKCHAIN CENTRE SDN. BHD.(本社:マレーシア・ジョホール州、CEO:松田 元、以下、OBC)は、マレーシア工科大学(Universiti Teknologi Malaysia、以下UTM)と連携して行った「シャリーアコンプライアンス」(イスラム法に基づく ※1)のデジタルコインに関する共同研究をこの度終了した。 2018年12月30日に開始した本研究では、シャリーアに準拠した仮想通貨の実現性、重要性、要件などが調査された。

 

図1:UTMのコンピューティング学部に配属するパーベイシブコンピューティング研究グループが大阪で開催されたINHACプレゼンテーションの際に東京のオウケイウェイヴを訪問した

3,000万人を超えるグローバルな仮想通貨のユーザーベース(2018年時点)により、商売取引における仮想通貨の採用は、グローバル市場の間で増加傾向にある。しかし、統計によると、イスラム世界での仮想通貨の使用は世界で最も低く、イスラム法に準拠していないことを恐れて仮想通貨を合法化することに抵抗があるためだと考えられる。

OBC-UTMの研究では、仮想通貨に関する2つの「ファトワ」(イスラム法の宣言)を引用している。ファトワの1つ(Fatawa Islam、219328号)は、仮想通貨はデジタル世界(仮想ネットワーク)の通貨であり、非物理的性質であるにもかかわらずシャリーアに準拠していると見なされている。なぜなら、保証価値の観点からでは、そのステータス(状態)は同様のためである。別のファトワ(Fatawa Syabakah Islamiyah、191641号)では、仮想通貨は一般的な法定通貨である不換紙幣や金属コインとは異なり、本質的には物理的ではない仮想通貨と物理的な法定通貨の間の取引が通貨トランザクションと同じメカニズムを持つとみなされるため認められると述べる。本研究では、イスラム法学によれば、仮想通貨とブロックチェーン技術がシャリーアのステータスにおいて許可されることである(ムバーフ)と結論付けている。但し、仮想通貨とそれに関連するビジネス活動が、不確定要素(gharar)、投機(maisir)、不正(zulm)、高利貸し(riba)または詐欺の5つの要素のいずれも含まないという条件で許可されている。つまり、イスラム法における仮想通貨の合法性は、ケースバイケースで決定されることになっている。

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図2:シャリーア準拠のエコシステム

UTMの『シャリーア準拠デジタルコインの研究』研究プロジェクトの責任者であるカマルリニザム・アブ・バカール博士(プロフェッサー・テクノロジスト)は次のようにコメントした。「仮想通貨が一般的になりつつある世界経済に取り残されないように、OBC-UTMの研究成果は、シャリアシールド、ブロックチェーンプラットフォーム、アプリケーション、取引所およびマーケットプレイス、金融規制、研究開発の6つの重要なシャリア規制コンポーネントにおいて、シャリーアに準拠した仮想通貨エコシステムを構築することを提案する。」

ブロックチェーン技術の技術的側面に関して、OBC-UTMの研究論文がシャリーア準拠のブロックチェーンエコシステムを2段階で構築することを提案した。それは、シャリーア準拠に最も類似し、大規模な取引オプションがあるイーサリアムのブロックチェーンプラットフォーム、そしてシャリーア準拠を念頭に置いて構築された新しいブロックチェーンプラットフォームである。各ブロックチェーンプラットフォームには、メインコイン(仮想通貨)とアプリケーションコイン(特定のアプリのユーティリティトークン)の2種類の仮想通貨がある。なお、この研究からの2つの会議論文が、2019年4月22日から23日に大阪で開催された第4回国際ハラール会議(INHAC)で発表された。

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図3: 2019年4月22〜23日に大阪で開催された第4回国際ハラール会議(INHAC)

本エコシステムは、シャリーアベースの4つの機能で構成される。それは、登録ユーザー向けパブリックネットワークである分散台帳、ウィンドウ価格メカニズムを用いる金でバックアップされる安定するコイン、フォレンジックトランザクションシステム(※2)、そしてKYC/AML準拠プロトコルである。それらの機能は前述のガラル(不確定要素)、マイシール(投機)、リバ(高利貸し)とズルム(不正)の問題に取り組むためである。さらに、フォレンジックトランザクションシステムの斬新なアプローチは、詐欺&偽装と戦うため、既存のKYC/AMLを大幅に強化するものとなる。

オウケイウェイヴ・グループでは、株式会社オウケイウェイヴの子会社で、独自の仮想通貨「c0ban」を発行した(現在は「c0ban project community」にてパブリック型のプロジェクトに移行)株式会社LastRootsが関東財務局により仮想通貨交換業者登録を完了させた(仮想通貨交換登録:関東地方財務局00018号)。今後オウケイウェイヴ・グループでは、2019年度クアラルンプールサミットにてマレーシア首相であるマハティールモハマド氏と数々のムスリムリーダーが歓迎したアイデアに伴うイスラム世界におけるシャリーア準拠の仮想通貨の需要を満たすデジタルコインを作成する予定である。

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図4:OBC-UTM共同研究の完了

オウケイウェイヴの代表取締役社長兼OBCのCEOである松田元は「シャリーアに準拠したデジタルコインは、将来的に飽和する仮想通貨プールにて一定の競争上の優位性を持つ。コインの安定性により、ユーザーは仮想通貨への投資で安心感を得ることができ、政府もまた、マネーロンダリング防止と消費者保護をサポートするコインの斬新なアプローチにより、通貨の普及に安心するだろう。」と述べている。

 

※1 イスラム世界(ムスリム社会)では、各国の法規制とは別に、信仰や儀礼のあり方から、イスラム国家の運営、家族や取引の決まりなどの日常生活に至るまで、様々な規範がコーランとムハンマドの言行録であるハディースを法源としており、それらは「シャリーア」(イスラム法)と呼ばれ、一般的にはムスリム社会における「人の生き方を示す道」と理解されています。

※2 フォレンジックとは、セキュリティ事故が発生した際に、原因究明などのためにコンピューター等に残された証拠を調査すること全般を指します。

 

OK BLOCKCHAIN CENTRE Sdn Bhd (OBC) について

OBCは、オウケイウェイヴ・グループの戦略的ブロックチェーン技術ベースのIT開発センターである。マレーシア政府が主導するイスカンダル開発エリアの中心地であるジョホール州ジョホールバルの高層オフィス「メディニ9」に本社を構え、マレーシア政府、現地のマレーシア工科大学、そして現地有力企業と多岐にわたるコラボレーションを行い、ジョホール州をブロックチェーン開発特区にすることを目指している。
詳細については、https://www.okwave.globalをご覧ください。

 

Universiti Teknologi Malaysia(マレーシア工科大学、以下UTM)について

1972年に設立されたUTMは、2010年6月10日に研究大学のステータスを取得した。これまでに、UTMは世界で217位、アジアで46位のQS World University Rankingsで世界的に認知されている。科学、技術、工学に優れた世界的な学術研究機関になるというビジョンにより、UTMはキャパシティビルディングと2020年までにUTMの目標を達成するための専門能力開発の面でより高いレベルに到達するために前進している。
詳細については、www.utm.myをご覧ください。


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