うつ病を発症したため仕事を退職しようと迷っているものの「失業保険をもらえるか不安」「失業保険の申し込み方法や流れわからない」このような悩みを抱いている方もいるでしょう。
失業保険の申請手続きを進める前に、まずは自身が失業保険の対象者であるか確認する必要があります。
今回の記事では、うつ病は失業保険が受給できるのか、失業保険申請の手続きや流れについて解説しています。
記事の後半では失業保険以外の支援制度についてあわせて解説しているため、現在うつ病で悩まれている方は、ぜひ参考にしてみてください。
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うつ病は失業保険を受給できる?
まず、うつ病を発症して退職した場合は失業保険を受給できるのかについて解説します。
結論、うつ病の状態でも働ける場合には失業保険を受給できます。
失業保険の受給要件は、基本的に就職しようとする積極的な意思があることと、いつでも就職可能な能力があるにもかかわらず職業に就けない失業の状態にあることです。
そのため、今すぐ働ける状態の場合は、うつ病の場合でも失業保険を受給できます。
反対に、労働が困難な場合には失業保険を受給できません。
失業保険の給付条件
失業保険の給付条件は、ハローワークに来所して求職申し込みをおこない、就職しようとする積極的な意思があることが前提です。
さらに、いつでも就職できる能力があるにもかかわらず、自身やハローワークの努力を尽くしても職業に就けない失業の状態にある場合に限ります。
反対に、次の4つの状態にある方は失業保険を受けられません。
- 病気やけがにより、すぐには就職ができない場合
- 妊娠、出産、育児のため、すぐには就職できない場合
- 定年退職して、休養予定がある場合
- 結婚により家事に専念するため、いますぐ就職できない場合
すなわち、うつ病を抱えているものの今すぐ働ける場合かつ、仕事が見つからず失業の状態にある場合のみ失業保険の受給が可能です。
うつ病によって体の調子が悪かったり休養がしばらく必要だったりするなど、今すぐ働ける状況にない方は、失業保険は給付対象外となります。
さらに、失業の状態にあるすべての方が失業保険を受給できるわけではありません。
退職前の勤務先で雇用保険に入っており、さらに一定の条件を満たした方のみが給付対象者となります。
一般的な自己都合退職の場合は退職日までの2年間で雇用保険の被保険者期間が通算12か月以上ある点が条件です。
ただし、会社都合退職の場合は、退職日までに1年間で、被保険者期間が通算して6か月以上ある場合も給付対象と認められます。
自身がどちらに該当するのか、給付条件をしっかり確認しておきましょう。
失業保険の給付期間
失業保険の給付期間は、原則として退職日の翌日から1年間(所定給付日数330日の方は1年と30日、360日の方は1年と60日)です。
ただし、その間に病気やけが、妊娠、出産や育児などの要因によって引き続き30日以上働けなくなった場合は働けなくなった日数分、受給期間の延長が可能となります。
延長可能な期間は最長3年間のため、3年以上の延長はできません。
万が一引き続き30日以上働けなくなった場合は、就業不可となった日の翌日以降、できる限り早めに申請しましょう。
失業保険の給付開始時期・支給期間
失業保険の給付開始時期は、退職理由によって異なります。
自己都合退職の場合は、ハローワークに離職票を持っていき、求職の申し込みをおこなった日から7日間の待機に加えて最大3か月の給付制限が生じます。
一方で、会社都合退職の場合は、7日間の待機期間を経た翌日より支給可能です。
失業保険の支給期間は被保険者であった期間と退職理由によって異なります。
1年未満 | 1年以上10年未満 | 10年以上20年未満 | 20年以上 | |
全年齢共通 | ー | 90日 | 120日 | 150日 |
年齢 | 1年未満 | 1年以上5年未満 | 5年以上10年未満 | 10年以上20年未満 | 20年以上 |
30歳未満 | 90日 | 90日 | 120日 | 180日 | ― |
30歳以上35歳未満 | 90日 | 120日 | 180日 | 210日 | 240日 |
35歳以上45歳未満 | 90日 | 150日 | 180日 | 240日 | 270日 |
45歳以上60歳未満 | 90日 | 180日 | 240日 | 270日 | 330日 |
60歳以上65歳未満 | 90日 | 150日 | 180日 | 210日 | 240日 |
年数は被保険者であった期間、年齢は退職時の年齢です。
また、会社の倒産や事業所の廃止など大量雇用変動の場合は特定受給資格者とみなされ、失業保険が給付される日数が増えます。
しかし、原則として失業保険の受給期間は退職日の翌日からカウントされるため、できる限り早めの申請がおすすめです。
失業保険の給付金額
失業保険の給付金額は、1日ごとに計算されます。
1日あたりの給付金額を基本手当日額と呼びますが、基本手当日額は原則として退職日の直前6か月に毎月支払われた賃金(賞与を除く)の合計を180で割って算出した金額の約50~80%となり、賃金が低い方ほど高い率が給付されます。
また、基本手当日額は年齢ごとに上限額が次のとおり定められています。
30歳未満 | 6,835円 |
---|---|
30歳以上45歳未満 | 7,595円 |
45歳以上60歳未満 | 8,355円 |
60歳以上65歳未満 | 7,177円 |
自身がどのくらいの金額の失業保険を受給できるか知りたい方は計算してみてください。
うつ病で退職したときに失業保険をもらう手続き・流れ
次に、うつ病で退職したときに失業保険をもらう手続きと流れについて解説します。
必要書類の詳細についても触れているため、失業保険をもらう手続きや流れがわからない方は、本章をぜひ参考にしてみてください。
1:会社から離職票と雇用保険被保険者証をもらう
まず、会社から離職票と雇用保険被保険者証をもらいましょう。
できる限り在籍中に受け取っておくとスムーズに手続きが進みます。
多くの場合、離職票はさまざまな手続きが発生する関係で、退職後約2〜3週間すると郵送で自宅に届きます。
会社から離職票が交付されない場合や、事業主と連絡が取れない場合は、住居地を管轄するハローワークに問い合わせをしましょう。
自己都合の場合は待機期間と給付制限期間を含めると最大3か月ほどは失業保険を受け取れません。
そのため、できる限りは早く失業保険を受給するためには、在籍中に離職票と雇用保険被保険者証を会社に申請しておきましょう。
収入が受け取れない期間が延びれば延びるほど、精神的なダメージが膨らみ、うつ病の症状も悪化する可能性があります。
そのため、最初の手続きをスピーディーにおこなう点が重要です。
雇用保険被保険者証は次の転職先で提出が求められた場合に必要になるため、大切に保管しておきましょう。
2:ハローワークに申請する
住居を管轄するハローワークに足を運び、求職の申し込みをおこないます。
申し込み完了次第、離職票を提出しましょう。
雇用保険の手続きは月曜〜金曜(休日、祝日、年末年始を除く)の8時半〜17時15分で受付しています。
受給資格の決定のほかに求職の申し込み手続きもあるため、16時前までにハローワークへ向かいましょう。
失業保険の申請時に、必要な書類は次のとおりです。
- 雇用保険被保険者離職票
- 個人番号確認書類(マイナンバーカード、通知カード、個人番号の記載のある住民票)
- 写真(正面上三分身、縦3.0cm×横2.4cm)2枚
- 身元(実在)確認書類
- 本人名義の預金通帳またはキャッシュカード
受給資格が決定したら、受給説明会の日時を知らされます。
雇用保険受給者のしおりを渡されるため、あらかじめ読んでおきましょう。
3:受給説明会に参加する
受給資格が決定したら、受給説明会に参加します。
指定された日時の説明会に必ず参加してください。ハローワークにて受け取った雇用保険受給者のしおりと筆記用具を持参しましょう。
受給説明会では、求職活動や認定日の調べ方など雇用保険の受給について説明があるため、話をよく聞いて制度を十分理解する必要があります。
説明会終了後は、雇用保険受給資格者証、失業認定申告書を受け取り、一回目の失業認定日が決定します。
原則として4週間に一度、失業の認定がおこなわれるため、指定された日に管轄のハローワークへ行きましょう。
ハローワークでは、失業認定申告書に求職活動の進捗を記載し、雇用保険受給資格者証とともに提出します。
4:求職活動する
求職活動は失業保険を受給する条件にあるため、必ずおこないましょう。
求職活動の範囲として、単なる求人情報の閲覧や知人の紹介依頼のみは認められません。
求人への応募やハローワークがおこなう職業相談、職業紹介の案内、各種講習、セミナーの受講、再就職に必要な各種国家試験、検定などの資格試験の受験などが求職活動とみなされます。
求職活動の実績については、利用した機関に問い合わせをしてハローワークが事実確認をおこなう場合もあるため、必ず積極的な求職活動をおこないましょう。
求職活動をまともにおこなわなかった場合は不正受給となるため、以後の受給がすべて停止されたりや刑事告発されたりなどの厳しい処分がおこなわれる場合があります。
5:失業認定を受ける
原則として4週間に一度、失業の認定がおこなわれるため、指定された日に管轄のハローワークへ行きます。
必ず失業保険を受給する本人が来所しましょう。
失業認定申告書に求職活動の進捗、事実を記載し、雇用保険受給資格者証とともに窓口へ提出しましょう。
求職申し込み日から認定日までの期間に就職した場合や短期間のアルバイト、パートや日雇いなどの就労をした場合や自営業をおこなった場合は、労働時間の長さや収入の有無にかかわらず、正確に事実を記入してください。
正しく申告しない場合は不正受給として処分される可能性があるため、必ず正確に情報を記入して提出しましょう。
6:受給開始
失業の認定をおこなった日から通常5営業日程度で、指定した金融機関の預金口座に失業保険が振り込まれます。
休祝日または年末年始を含む際は、遅れる場合があるため注意しておきましょう。
再就職が決まるまでの期間は所定給付日数を基準に、失業の認定や受給を繰り返しながら、就職活動をおこないましょう。
基本的には失業保険の受給期間は退職日の翌日から1年間となります。
1年間を過ぎた場合は、所定給付日数の範囲内であっても失業保険は受けられなくなるため、注意が必要です。
うつ病の方が退職する前にしておきたいこと
ここまで、うつ病を発症して退職したときに失業保険をもらう手続きや流れについて解説しました。
次に、うつ病の方が退職する前にしておきたい点について紹介します。
一人で抱え込むと負担が大きくなるため、次の3つはできる限りしておきましょう。
医師に相談する
自身にうつ病の疑いがあると感じた場合は、退職前に必ず医師に相談しましょう。
うつ症と自己判断していたものの、思わぬ病気が隠れている可能性もあるためです。
まずは心療内科を受診して、自身の心身の状態を正直に医師に伝えましょう。
定期通院するうちに治療法が明らかになるケースが大半のため、まず医師に相談する点が重要です。
心療内科に通えない場合は、勤め先の会社の産業医相談を活用しましょう。
産業医とは、労働者の健康管理について相談や助言をおこなう医師です。
労働安全衛生法によって常時50人以上の労働者が在籍する事業所の場合は一人以上の産業医が配置されているため、条件を満たしている勤務先の場合は産業医が在籍しているでしょう。
一人で抱え込んだり自己判断したりせず、まずは心療内科の医師や産業医に相談しましょう。
上司や同僚に相談する
うつ病のため退職したいと考えるようになったら、上司や同僚に相談してみるのもおすすめはできます。
うつ病の可能性がある点をしっかり伝えたうえで、退職以外の選択肢を検討してもらえる可能性があるためです。
たとえば短時間勤務を申請したり、職場環境を変更するために配置転換を申請したり、さまざまな対処法が考えられます。
うつ病を発症する原因にもよりますが、職場のストレスの場合は部署を変更すれば症状が収まる場合もあるでしょう。
そのため、自身で退職の判断をする前に、上司や同僚に他の解決策の有無を相談してみるとよいでしょう。
ただし、デリケートな話題のため、信頼できる上司や同僚に相談する点が重要です。
また、ある程度決定権を持つ上司に相談すると、自身の働く環境が早く改善する可能性があるといえるでしょう。
休職して傷病手当金を申請する
ほかにも求職して傷病手当金を申請する選択肢があります。
傷病手当金とは、病気休業中に被保険者とその家族の生活を保証するための制度です。
被保険者が病気やけがが原因で会社を休まざるをえない場合に、事業主から十分な報酬が受け取れない場合に支給されます。
傷病手当金を受けとるためには、業務外の事由による病気やけがの療養のための休業であり、仕事に就けない状況であることが条件となります。
上記に該当する場合は傷病手当金の給付条件を満たしているため、求職して傷病手当金を受給する選択肢も視野に入れておきましょう。
うつ病で働けない場合は失業保険でなく傷病手当金をもらおう
先述したとおり、うつ病で今すぐ就職できない場合は失業保険の受給ができません。
そのため、うつ病で今すぐ働けない場合は、失業保険ではなく傷病手当金を申請しましょう。
ここでは、傷病手当金の支給条件や支給期間、支給金額について解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
傷病手当金の支給条件
傷病手当金を受給する条件は、次のとおりです。
- 業務外の事由による病気やケガの療養のための休業である場合
- 仕事に就くことが不可能な場合
- 連続する3日間を含み、4日以上仕事に就けなかった場合
- 休業した期間に対して給与の支払いがない場合
これら4つの条件をすべて満たした方のみ、傷病手当金が支給されます。
休業した期間に対して給与の支払いがない場合に関しては、給与の支払いが発生しても傷病手当金の額よりも少ない場合は、差額が支払われるため問題ありません。
また、連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかった場合については、2日間会社を休んで翌日出勤した場合は連続する3日間の休みではないため、傷病手当金の支給対象外となります。
傷病手当金の支給開始時期・支給期間
次に、傷病手当金の支給開始時期と支給期間について解説します。
傷病手当金が支給される期間は、2022年1月1日より、支給開始日から通算して1年6か月に変更されました。
ただし、支給開始日が2020年7月1日以前の場合は、今までどおり支給開始日から最長1年6か月です。
傷病手当金の支給金額
傷病手当金の支給金額の計算方法は下記です。
支給開始日以前12か月間の各月の標準報酬月額を平均した額÷30日×3分の2
(支給開始日とは、最初に傷病手当金が支給された日をさします)
支給開始日以前の期間が12か月に満たない場合は、支給開始日の月以前の継続した各月の標準報酬月額の平均額、もしくは標準報酬月額のいずれか低い額を利用して計算します。
休業中に給与の支払いがある場合は傷病手当金は支給されません。
しかし、給与の支払いが傷病手当金の日額を超えない場合は、傷病手当金と給与の差額が支払われます。
働ける状態になったら傷病手当金から失業保険に切り替えよう
傷病手当金と失業保険の同時受給はできません。
傷病手当金と失業保険のどちらを受給できるのかについては、求職活動ができない期間によって異なります。
14日以内の場合は失業保険、15日以上30日未満の場合は傷病手当金、30日以上の場合は最大4年間まで延長可能です。
先述したとおり、失業保険は働く能力や意思があるにもかかわらず、失業している状態の方を支援する制度のため、うつ病が原因で働けない方は受給はできません。
そのため、退職後は傷病手当金を受給しながらうつ病の治療に専念し、うつ病の症状が改善して働ける状態になったタイミングで失業保険に切り替えるとベストでしょう。
ただし、傷病手当金は病気やけがが治った時点で支給対象外となるため、失業保険への切り替えは速やかに済ませる必要があります。
傷病手当金の受給が切れてから失業保険の申請をすると、空白期間が生じるためです。
できる限り傷病手当金の受給中に失業保険を受給する準備を済ませて、空白期間を短縮できるよう工夫しましょう。
うつ病の方が利用できるその他の支援制度
ここまでうつ病の方が利用できる傷病手当金について、紹介しました。
しかし、うつ病が回復した場合は傷病手当金を受給できなくなるため、また精神的に不安になる可能性があります。
ここから、うつ病の方が利用できる失業保険と傷病手当金以外の支援制度について紹介します。
4つの支援制度について解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
自身が申し込みできる制度や気になる制度があった場合は、遠慮なく問い合わせしてみましょう。
自立支援医療制度
自立支援医療制度とは、精神疾患のため通院による継続的な医療が必要な方に対して、医療費の自己負担分の一部を公費で負担し、軽減する制度です。
対象者は、精神の疾患(てんかんを含む)のために継続的な通院治療を必要とする方です。
精神通院医療にかかる医療費は原則1割負担となり、さらに世帯所得により自己負担額の上限が設定されています。
自立支援医療制度を利用すると医療費の支出を最小限に抑えられるメリットがあります。
受給者証の有効期間は原則として1年のため、1年経過後も自立支援医療制度が必要な場合は、再度再認定申請が必要です。
障害年金
障害年金とは、病気やけがによって日常生活や労働が困難になった場合に、現役世代の方も含めて受け取れる年金の一つです。
障害年金には、障害基礎年金と障害厚生年金の2種類があります。
けがで初めて診察を受けた際に国民年金に加入していた場合は障害基礎年金、厚生年金保険に加入していた場合は障害厚生年金が受給可能です。
また、障害年金に該当する症状より軽い障害であった場合も、障害手当金を受け取れる制度があります。
それぞれの障害年金の受給要件は次の表のとおりです。
障害基礎年金 | ・障害の原因である病気やケガの初診日が次のいずれかの間にある 1、国民年金加入期間 2、20歳前または日本国内に住んでいる60歳以上65歳未満の方で年金制度に加入していない期間 ・初診日の前日に、保険料の納付要件を満たしている ・障害の状態が障害認定日、または20歳に達した際に、障害等級表に定める1級または2級に該当している |
---|---|
障害厚生年金 | ・厚生年金の被保険者である間に、障害の原因となった病気やケガの初診日がある ・初診日の前日において、保険料の納付要件を満たしている ・障害の状態が障害認定日に、障害等級表に定める1級から3級のいずれかに該当している |
障害手当金(一時金) | ・厚生年金保険の被保険者である期間に、障害の原因となった病気やケガの初診日がある ・初診日の前日において、保険料の納付要件を満たしている ・初診日から5年以内に治っている、治った日に障害厚生年金を受け取れる状態より症状が軽い、障害等級表に定める障害の状態である |
障害等級表や保険料の納付要件に関しては、障害年金ガイドをぜひ参考にしてみてください。
生活困窮者自立支援制度
生活困窮者自立支援医療制度とは、経済的に困窮しており、最低限度の生活を維持できなくなる恐れのある方を支援する制度です。
支援の具体的な方法は、相談支援窓口で電話及び来所による相談を受け付けていたり、巡回相談や自宅訪問などをおこなったりして、一人一人にあった必要な支援をおこなっています。
現状の生活に余裕を感じられない場合は、一人で抱え込まずに相談窓口を利用しましょう。
精神的に安定する可能性があり、結果としてうつ病が軽減される期待もできます。
生活保護
生活保護制度とは、さまざまな原因により生活に困窮している人々に対して、憲法が定める健康で文化的な最低限度の生活を保証し、積極的に自立した生活ができるよう援助する制度です。
生活保護の申請は国民の権利として平等に与えられています。
そのため、生活保護が必要と感じた場合は、遠慮せず早めに相談してみましょう。
生活保護費は、世帯の収入のみでは国が定める保護基準に満たない場合に受給可能となります。
生活保護で受けられる支援は、生活補助、住宅扶助、教育扶助、医療扶助、介護扶助、出産扶助、生業扶助、葬祭扶助、合計8種類です。
生活保護を受ける方の義務として、支出を節約し、生活の維持や向上に努める点や生活保護の権利は他人に譲渡してはならない点などがあります。
失業保険に関するよくある質問
最後に、失業保険に関するよくある質問について回答します。
失業保険と傷病手当金の両方をもらうことは可能?
失業保険と傷病手当金の両方は、同時に受給できません。
失業保険は、働ける能力があるにもかかわらず、本人やハローワークの努力に関係なく失業の状態にある方に対して給付されるため、病気やけがが原因で就業できない方は受給対象外となるためです。
一方で傷病手当金は、在職中に業務外の事由で病気やけがを負い、就業できなくなった場合に適応されます。
そのため、自身がうつ病を発症して働けない状態にあるならば、まずは傷病手当金をもらいながら治療に専念して、働ける状態に回復した時点で失業保険に切り替えるとよいでしょう。
失業保険と傷病手当金の同時受給は不可ですが、受給条件が揃っていれば順に受け取れます。
ただし、傷病手当金から失業保険へ切り替える際に、手続きが滞った場合はどちらも受給ができない空白期間が生じます。
失業保険を不正受給したらどうなる?
失業保険を不正受給した場合は、今後一切受け取れなくなるほか、手当の返還を命じられます。
さらに、原則として返還を命じた不正受給金額とは別に、不正行為によって受給した金額の2倍に相当する金額の納付が必要です。
不正受給の具体例は、就職や就労をおこなったにもかかわらず、失業認定申告書に事実を記さず偽りの申告をした場合や、実際にはおこなっていない求職活動を失業認定申告書に実機として記す偽りの申告をした場合などが該当します。
そのため、失業認定申告書には事実を記入し、不正に失業保険を受給しないよう注意しておきましょう。
公務員でも失業保険はもらえる?
国家公務員や地方公務員の場合は、退職後に失業保険を受け取れません。
公務員は雇用保険法によって雇用保険の適用対象外と定められているためです。
しかし、国家公務員の場合であっても、雇用保険法が適用される事業所(郵便局や国立大学)で勤務されていた方は、退職後に失業保険の手続きをおこなうと受給できます。
国家公務員や地方公務員は失業保険が受け取れない代わりに退職手当を受け取れるため、退職後の経済的な心配はありません。
まとめ
今回の記事では、うつ病は失業保険がもらえないのかと、失業保険申請の手続き、流れや支援制度について紹介しました。
うつ病が原因で仕事ができない状況の場合は、失業保険の受け取りができません。
そのため、うつ病の治療期間は傷病手当金を受給し、うつ病の症状が回復して就業可能になったら失業保険に切り替えるとよいでしょう。
失業保険の手続きを今から進める方は、今回紹介した手順に沿って進めてみてください。
また、記事後半では、失業保険以外の支援制度について紹介しました。
とくに生活保護は国民の権利として与えられているため、一人で悩みを抱え込む前に利用してみましょう。
うつ病の疑いを感じている方やうつ病を患っている方は自己判断で退職の選択をせず、心療内科の医師や産業医に相談して最良の治療ができるように、サポートを受けてみてください。