失業保険とは、退職後に次の就職先を見つけるまで継続的な給付を受けられる雇用保険の制度です。
障害者の場合は就職困難者として一般よりも条件が緩和され、給付期間が長くなります。
給付の流れや求職活動については一般と変わらないため、申し込み前は流れや必要書類を確認してハローワークで手続きしましょう。
退職すると失業保険のほかにも健康保険の切り替えや年金の免除などやるべきことが多く、同時に申請をおこなうことで忘れずに対処できます。
ここでは失業保険の手続きに必要な書類や受給額の計算方法について紹介します。
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失業保険とは
失業保険とは失業等給付として、失業してから再就職までの間に求職活動をすることで給付金が支給される制度です。
失業等給付は雇用保険の制度であり、一定期間雇用保険の被保険者である方が対象です。
正社員はもちろん、アルバイトやパートでも一定の条件が満たされていれば雇用保険の加入義務があり、受給対象となれば失業保険が受けられます。
ただし、失業保険はいつでも就職できる状態が前提の給付であるため、病気や怪我、妊娠が理由ですぐに就職できない状態であると給付されません。
障害者は受給可能な失業保険が異なる
失業保険は雇用保険の被保険者であった期間と年齢で給付日数が変動しますが、身体障害者や知的障害者、精神障害者は就職困難者として一般の給付と要件が異なります。
一般も就職困難者も問わず継続的な求職活動が必要ですが、一般の受給者と比較すると条件が緩和されているため、比較しつつ要件を確認していきましょう。
受給期間
失業保険は障害者の場合、150日から最大360日まで給付されます。
一般の失業保険は年齢と被保険者期間で細かく分類されており、90日から330日と定められています。
障害者は雇用保険の被保険者期間が1年未満であれば年齢問わず150日、被保険者期間が1年以上であれば45歳未満は300日、45歳以上は最大360日が給付されます。
受給要件
障害者が失業保険の給付を受けるためには、離職前の1年間で雇用保険の加入期間が6か月以上であることが要件となります。
雇用保険被保険者の認定は、給与を支払う基礎日数が1か月に11日以上あった月が条件です。
一般の受給要件は離職前の2年間で雇用保険に12か月以上加入していることが要件ですが、会社都合で離職した場合は特定受給資格者として、障害者と同じ条件で給付を受け取れます。
失業保険の申し込み・給付の流れ
失業保険はハローワークで申請します。
申し込みに必要な書類は退職した会社から送付されるものもあるため、事前にどのような書類が必要であるか確認しましょう。
1:会社で離職証明書を受け取る
失業保険の申し込みには離職票が必要です。
離職証明書とは離職票を発行するための書類であり、会社がハローワークに提出するものです。
離職証明書で離職票の発行を申請したのち、ハローワークから一度会社へ離職票が交付されて、退職者に届けられます。
2:退職
勤めている会社を退職する場合、一般的には退職希望日のおよそ1か月前に退職の意思を伝えます。
就業規則に退職の申し出について記載されている場合もあるため、伝える前に一度目を通すことをおすすめします。
また退職する前は、書類が適切に送付されるように離職票の希望を会社に伝えておきましょう。
3:ハローワークで申請手続き
無事退職して会社から離職票が送付されたら、早速ハローワークでの手続きを進めます。
ハローワーク内で書く受付表と離職票を窓口へ提出し、面談して受給資格が決定すると7日間の待機期間に移ります。
この7日間はハローワークが退職者に関する調査をする期間です。
失業保険は、本当に退職して現在仕事をしていない状態であるか確認されてから給付となります。
待機期間に給与をもらい仕事をすると待機期間が延びるため、次の就労に向けて休むことがスムーズに給付を受けるポイントともいえるでしょう。
また退職後に急いでハローワークに行く必要はありませんが、失業保険の受給可能な期間は1年間です。
全額給付されるよう、忘れずに手続きしましょう。
4:雇用保険説明会へ参加
待機期間が終了すると、雇用保険受給者説明会へ参加します。
雇用保険説明会では雇用保険受給資格者証が取得できるため、失業保険の給付を受けるためには絶対に必要な書類です。
説明会は口頭での説明やビデオの視聴などでおこなわれ、自治体によっては講習会を兼ねている場合もあります。
講習会に行くと1回分の求職活動実績とカウントされるため、積極的に利用することをおすすめします。
また地域によって異なりますが、コロナ禍である現在はオンラインでも雇用保険説明会に参加できるハローワークもあります。
5:失業の認定を受ける
雇用保険説明会が終了後、給付までは失業認定日を待ちます。
失業認定日はおよそ4週間に1回であり、当日は求職活動の実績を申請書に記載して提出します。
6:給付
失業認定日にハローワークに申請書を提出して失業状態が認められることで、およそ1週間で登録した銀行口座に失業手当が振り込まれるため、随時口座を確認しましょう。
失業保険の申請に必要な書類
失業保険の申請は多くの書類が必要で、一つでも欠けると手続きが進みません。
ハローワークに行く前にどのような書類が必要であるか確認しておきましょう。
雇用保険被保険者離職票
雇用保険被保険者離職票はいわゆる離職票であり、退職後会社から送付される書類です。
一般的には退職から2週間程度で届く書類ですが、離職票が届かない場合には会社へ連絡する必要があります。
個人番号確認書類
個人番号確認書類とはマイナンバーカードやマイナンバー通知書です。
12桁の個人番号が記載されたいずれかの書類が必要になります。
身分証明書2枚
失業保険の申請には、運転免許証やマイナンバーカードなど公的な身分証明書が2枚必要です。
健康保険証は会社に返却して手持ちにない場合もあるため、別の身分証明書で代用しましょう。
運転免許証やマイナンバーカード以外に、住民用の写しや住民基本台帳カードも有効です。
写真
失業保険には縦3.5cm、横2.5cmの証明写真が2枚必要です。
履歴書に使用する写真と同じように、正面上半身の写真を用意してください。
写真のサイズは履歴書や運転免許証の大きさとは異なるため、適切な写真がない場合は撮り直しが必要です。
手続きでは本人確認の目的で使用するため、撮影からおよそ6か月以内に撮影した写真を選びましょう。
印鑑
申し込み書類には印鑑を押すことがあるため、ハローワークに行く際は一つ持って行きましょう。
届出を出していない認印でも可能です。
本人名義の預金通帳またはキャッシュカード
預金通帳またはキャッシュカードは、失業保険の振込先情報の確認に用いられます。
ネット銀行や外資系金融機関への振り込みは不可で、本人名義のものに限ります。
失業保険の受給額計算方法
失業保険の給付金額は、年齢や勤続年数ではなく賃金日額や基本手当日額で決まります。
退職前の給与が多ければ失業保険も多くなり、給与が少ないと給付額も少なくなります。
簡単な算出方法は、退職前の給与に50%~80%をかけた数字が失業保険で振り込まれるおおよその額です。
賃金日額
失業保険の給付総額を知るためには、まず賃金日額を算出する必要があります。
賃金日額とは退職6か月前の給与総額÷180を算出した金額です。
たとえば退職6か月前の給与所得が税金を引く前で180万円だった際は、180万円÷180で賃金日額が10,000円とされます。
賃金日額は上限と下限が定められており、2023年1月時点で2,657円を下回ることはありません。
基本手当日額
賃金日数が判明したら、次は基本手当日額を用いて1日あたりの給付金額を算出しましょう。
基本手当日額とは賃金日額に所定の給付率を乗じた額です。
給付率は60歳未満の場合は50%~80%の間で決まり、退職前の賃金が高い方は50%、低い方は80%に振り分けられます。
たとえば賃金日額が10,000円であれば、5,000円~8,000円が基本手当日額になりますが、年齢ごとに基本手当日額の上限が定められているため、29歳以下の場合は6,835円が上限です。
また60歳~63歳の方は45%~80%の給付率で基本手当日額が算出されます。
給付日数から支給総額
基本手当日額に給付日数をかけることで支給総額がわかります。
給付日数は障害者の場合最大150日~360日と定められています。
たとえば基本手当日額が5,000円の場合、150日の給付期間で総額75万円が支給されます。
45歳未満の方が1年以上雇用保険の被保険者である場合は最大日数が300日となるため、総額は倍額の150万円です。
再就職が困難な障害者の制度は失業保険のみではない
失業保険は再就職までの生活を支える制度ですが、障害者の場合はそのほかの支援として障害年金が受け取れます。
障害年金は年金制度の一つで、失業保険と同時に受給できます。
内容は障害基礎年金と障害厚生年金の2種類で、初診日に国民年金に加入していた場合は障害基礎年金、厚生年金に加入していれば障害厚生年金の請求が可能です。
障害厚生年金で受給する場合は障害基礎年金の額も加算されるため、生活を安定させて前向きに就職活動ができるように、受給条件を満たしている制度は積極的に利用しましょう。
障害年金の受給条件
障害年金の受給条件は、次の3つをすべて満たしている方です。
- 厚生年金の保険者で障害の原因となった病気や怪我の初診日がある
- 障害認定日に障害等級表に定める1級~3級に当てはまる
- 初診日の前々月までの被保険者期間で国民年金の納付期間が3分の2以上である
初診日とは病気や怪我など障害になった原因についてはじめて診療を受けた日です。
2の障害認定日にいずれかの等級に当てはまる条件は、認定日時点では状態が軽くてものちに重病となった場合は受け取れるため、状態を見て適宜申請が必要です。
また3の国民年金の納付期間は保険料免除期間も併せて換算されるため、受け取れる可能性がある方は年金の加入情報を確認してください。
障害年金請求の必要書類
障害年金の請求も失業保険と同じく、複数の書類が必要です。
- 年金請求書
- 年金手帳または基礎年金番号通知書
- 戸籍謄本や住民票など生年月日が明らかな書類
- 医師の診断書
- 受診状況等証明書
- 病歴・就労状況等申立書
- 本人名義の通帳またはキャッシュカード
失業保険の手続きよりも必要な書類が多いため、申請前の確認が必要です。
年金請求書は役場や年金事務所に備え付けの書類で、日本年金機構のサイトからも様式がダウンロードできます。
受診状況等証明書は初診日の確認、病歴・就労状況等申立書は障害の状態を確認するための資料として利用されます。
その他障害の原因が第三者によるものであったり18歳到達年度末までの子どもがいたりなど特別な場合はさらに別の書類が必要になります。
必要書類の取得方法や提出先の詳細は日本年金機構のサイトに記載されているため、提出前に一度チェックしてみましょう。
障害年金の受給額
障害年金は種類と1級から3級まで障害の程度で給付額が異なります。
障害基礎年金の額は1級が97万2,250円で、2級が77万7,800円となり、子がいる場合は人数に応じて額に加算されます。
障害厚生年金の場合は3級でも受給可能であり、最低保証額は58万3,400円です。
障害厚生年金は報酬比例の年金額をもとに計算されるため複雑ですが、厚生年金の加入時期の標準報酬月額や標準賞与額の総額を加入期間で割った額が給付されるため、給与が多ければ多いほど年金額も上がります。
3級の場合は最低保証ありの報酬比例の年金額で、2級は報酬比例の年金額に障害基礎年金の2級が加わり、1級は報酬比例額の1.25倍の額と障害基礎年金1級を合算した額となります。
障害者の失業保険に関するよくある質問
ここでは失業保険に関するよくある質問について紹介します。
障害者年金と併せて受け取れる?
失業保険と障害者年金は別の制度であるため、同時に両方受け取れます。
失業保険は雇用保険の制度で、雇用機会の拡大や労働者の福祉増進を図る目的であり、障害者年金は生活保障を目的とする年金制度から給付されます。
失業手当を受給しながらアルバイトは可能?
失業保険を受給している期間のアルバイトは可能ですが、7日間の待機期間は失業状態の必要があるため、アルバイトは控えましょう。
受給中にアルバイトをする場合は、必ずハローワークへの申告が必要です。
申告しなければ短時間のアルバイトでも就職しているとみなされて、失業保険の受給資格を失う恐れもあります。
またアルバイトしながら失業手当を満額受給するためにはいくつかの条件があります。
たとえば1週間の就労時間が20時間以上であったり31日以上の雇用が見込まれたりなどの場合は雇用とみなされて再び雇用保険の対象になり、失業保険が給付されなくなります。
そのほかにも一日の受給額が標準報酬日額を超えると減額されるため、アルバイトで得られる金額を把握しながら働くことがポイントです。
健康保険・年金の支払いは受給中必要?
失業保険の受給中でも健康保険や年金の支払いは必要です。
離職中で失業保険を給付を受けても収入が少なく、健康保険や年金の支払いが難しい方は減額や免除申請をおすすめします。
年金は全額免除や半額免除など所得に応じて免除される額が決まります。
失業保険の申請時にハローワークから資料が配布されますが、退職による免除は特例となり、所得にかかわらず全額免除の申請が可能です。
健康保険の場合は全額免除できないものの、収入が下がることで自治体により減額措置が取られます。
年金の免除に関しては年金機構、健康保険の減免は役場が申請先となるため、退職したら失業保険とともに忘れず申請しましょう。
まとめ
障害者は失業保険において就職困難者に分類され、退職前の1年間で雇用保険の被保険者である期間が6か月以上である場合に給付されます。
受給には必要な書類も多く、ハローワークへ申請する前に準備しておきましょう。
申請後は職員からの指示がありますが、待機期間にアルバイトをすると失業保険の給付要件から外れてしまう点が注意点の一つです。
失業保険は障害者年金とも併用できるため、生活を支えるために積極的な利用をおすすめします。
健康保険と国民年金の減免や免除も失業保険の手続きと同時におこなうことで、忘れずスムーズに申請できるでしょう。