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自己都合で失業保険を受給する待機期間は3ヶ月?手当の金額や受給までの流れを解説

自己都合で退職した場合、失業保険を受給するにあたって待機期間が設けられます。この待機期間は、条件によって2ヶ月または3ヶ月となります。

しかし、失業保険についてあまり馴染みのない方にとっては、待機期間や制度の仕組み、受給までの流れが難しく感じるかもしれません。

そこで今回は、自己都合で退職した場合に失業保険を受け取るまでの流れについて、待機期間や手当の金額と合わせて詳しく解説します。

自己都合で退職されたばかりの方は、ぜひ参考にしてください。

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目次

自己都合退職をしてから失業保険を受給するまでの待機期間

自己都合で退職した場合、ハローワークにて求職の申し込みをおこなうことで、失業保険の受給資格の決定が受けられます。自己都合での退職のほか、懲戒解雇の場合も同様です。

離職してから待機期間として7日間が設けられており、その翌日から一定の期間が給付制限期間となります。待機期間や給付制限期間の最中は、失業保険を受け取れません。

なお、自己都合での退職や懲戒解雇でもなく、特定受給資格者や特定理由離職者に該当する場合は給付制限期間がないため、すぐに失業保険が受け取れます。

3ヶ月待機する

従来の法律では、自己都合での退職や懲戒解雇により離職した場合、いずれも3ヶ月の給付制限期間が設けられていました。

令和2年10月1日に法改正がなされ、状況に応じて給付制限期間が変動するように変更されました。なお、離職の理由が懲戒解雇の場合は、どのような状況でも給付制限期間は3ヶ月となります。

例外的に2ヶ月待機で済む場合がある

令和2年10月1日に実施された法改正により、給付制限期間に例外が設けられるようになりました。離職の理由が自己都合の場合に限り、離職した日から5年間は2回目の離職まで給付待機期間が2ヶ月となります。

もし、離職日より遡って5年間に2回以上離職していたのであれば、給付制限期間は従来と同様に3ヶ月です。

また、法改正がなされた令和2年9月30日以前の離職に関しては、上記のルールの対象になりません。

たとえば、令和1年6月30日と令和3年6月30日、令和5年4月30日にそれぞれ退職したとします。令和1年6月30日の退職は法改正以前であるため5年間の対象とならず、令和3年6月30日と令和5年4月30日でまだ2回目となるため、給付制限期間は2ヶ月となります。

自己都合で退職したときの失業保険の金額

自己都合で退職した場合、受け取れる失業保険の金額は、給付日数と基本手当金額に基づいて算出されます。

  • 給付日数×基本手当金額=受け取れる失業保険の金額

給付日数と基本手当金額は、条件によって変動します。以下で詳しく見ていきましょう。

雇用保険の加入期間に応じた給付日数

自己都合退職とそのほかの退職理由によって、失業保険の金額を左右する給付日数は異なります。自己都合退職の場合の給付日数は、以下のとおりです。

雇用保険の加入期間1年未満1年〜5年未満5年〜10年未満10年〜20年未満20年以上
給付日数90日90日120日150日

特定受給資格者や特定理由離職者、就職困難者とは異なり、自己都合退職では年齢による区別が設けられていません。

基本手当金額

基本手当金額とは、1日あたりに受け取れる失業保険の金額のことです。この金額は、退職するまでの6ヶ月の賃金の平均である賃金日額と給付率を用いて算出されます。

なお、賃金日額や基本手当金額は令和5年8月1日に変更されました。適用される給付率と基本手当金額の上限は、以下を参考にしてください。

離職時の年齢賃金日額給付率基本手当金額の上限
29歳以下65歳以上2,746〜5,109円80%2,196〜4,087円
5,110〜12,580円80〜50%4,088〜6,290円
12,580〜13,890円50%6,290〜6,945円
13,890円以上6,945円
30〜44歳2,746〜5,109円80%2,196〜4,087円
5,110〜12,580円80〜50%4,088〜6,290円
12,580〜15,430円50%6,290〜7,715円
15,430円以上7,715円
45〜59歳2,746〜5,109円80%2,196〜4,087円
5,110〜12,580円80〜50%4,088〜6,290円
12,580〜16,980円50%6,290〜8,490円
16,980円以上8,490円
60〜64歳2,746〜5,109円80%2,196〜4,087円
5,110〜11,300円80〜45%4,088〜5,085円
11,300〜16,210円45%5,085〜7,294円
16,210円以上7,294円

失業保険を受給する流れ

自己都合で退職したケースを想定して、失業保険を受給するまでの流れを、順を追って解説します。

1:退職後に離職票を受け取る

退職した際は、正しい離職日を確認することが大切です。離職日とは、事業主との間にあった雇用関係が終了した日を指します。形式的なものだけでなく、事実上雇用関係が終了していなければいけません。

退職後は、離職票を受け取る必要があります。多くの場合、雇用保険被保険者 離職票1および2が退職した会社から届きます。または、退職した本人が直接会社まで離職票を受け取りに行きます。

もし、離職票を交付してもらえなかったり、担当者と連絡がとれなかったりといった理由でお困りの際は、ハローワークに連絡して対応してもらいましょう

2:ハローワークで求職を申し込む

失業保険は、求職中の人に対して支給されます。そのため、失業保険の手続きをする際は、合わせて求職の申し込みが必要です。

雇用保険被保険者 離職票1および2を受け取ったら、自身の住所を管轄するハローワークで求職の申し込みをおこないます。

求職の申し込む際は、以下を持参しましょう。

  • 雇用保険被保険者 離職票1および2
  • 身分証明書(運転免許証とマイナンバー通知、マイナンバーカードなど)
  • 写真2枚(最近撮影された縦3cm×横2.5cmのバストショット)
  • 本人名義の預金通帳

このほか、障がい者手帳を交付されている方は、上記と合わせて持参します。

3:受給資格の決定を受ける

求職の申し込みをおこなったあとは、ハローワークで失業保険を受給できる条件を満たしているか確認してもらいます。問題がなければ、受給資格の決定を受けます。

なお、この際に離職理由についても判定をおこないます。離職理由について異議がなければ、考案職業安定所長や地方運輸局長が内容を判断し、スムーズに受給資格の決定を受けることが可能です。

もし、離職理由に異議がある場合、客観的資料の確認や事業主に対する聴取に基づき、十分に吟味したうえで判定をおこないます。

受給資格の決定を受けたら雇用保険受給資格者のしおりを受け取り、雇用保険受給者説明会の案内を受けます。

雇用保険受給者説明会とは、雇用保険を受け取るまでの流れや就職活動について説明を受ける会です。参加する際は、雇用保険受給資格者のしおりのほか、ハンコや筆記用具を持参しましょう。

雇用保険受給者説明会では、雇用保険受給資格者証と失業認定申告書が交付されます。

また、失業認定日の指定を受けます。受け取った書類は失業保険を受け取りに必要となるため、紛失しないように管理しましょう。

4:待機期間と給付制限が解除されるまで待つ

受給資格が決定してから7日間は待機期間です。加えて、2ヶ月または3ヶ月の給付制限があるため、これらが解除されるまで待ちます。

5:求職活動後に失業の認定を受ける

求職中は、次の仕事探しをおこないましょう。ハローワークでは、仕事探しの実績を求職活動実績といいます。この記録は、雇用保険受給者説明会で受け取った失業認定申告書に記載して提出が必要です。

失業保険を受け取るには、給付制限中と失業の認定を受ける対象期間のうちに実績として認められる仕事探しを3回以上おこなわなければいけません。

失業認定申告書は、失業認定日にハローワークへ行き、提出します。その際、仕事探しの実績や就労の有無などを確認し、そのうえで失業の認定がおこなわれます。

なお、自己都合での退職の場合は、給付制限が過ぎたあとに失業の認定を受けてから、失業保険は支給されます。失業認定日の当日にハローワークへ行けない場合でも、あとから証明書を提出することで失業の認定は受けられます。

6:再就職する

失業保険を受け取りながら、引き続き次の仕事探しを進めます。

再就職するにあたって、再就職手当や就業促進定着手当、常用就職支度手当、高年齢再就職給付金といった各給付金を申請できるケースがあります。

自己都合による失業保険に関するよくある質問

自己都合で退職した場合、失業保険を受け取るにあたって確認しておきたいいくつかの疑問について解説します。

失業保険をもらわないとどうなる?

失業保険を受けない場合、定期的にハローワークでおこなわなければいけない仕事探しの進捗報告の必要がありません。

また、雇用保険期間がリセットされないため、次の就職先が決まってからすぐに退職したとしても失業保険を受け取ることが可能です。

そのほか失業保険をもらわないことで、人によっては次の就職に対するモチベーションが高くなる場合があります。

一年未満働いて自己都合退職すると失業保険はもらえる?

就業期間が1年に満たない状態で自己都合退職した場合、失業保険はもらえません。

待機期間にバイトをするとバレる?

失業保険は仕事探し中の人のために受給されるものであるため、その間にバイトをしてはいけません。

黙っていたとしても、待機期間中のバイトはハローワークにバレてしまいます。バイト先では雇用保険の加入手続きや税務署への深刻といった行政手続きをおこないますが、ハローワークはこういったやり取りを厳しくチェックするためです。

なお、ハローワークにバイトしていたことがバレると、失業保険が受給できなくなるだけでなく、不正受給した失業保険の返還に加え、ペナルティーとして納付が求められます。

まとめ

事情を問わず、退職した場合は前の職場から離職票を必ず受け取り、大切に保管しましょう。離職票があれば、次の仕事探しを条件に失業保険が受け取れます。

自己都合で退職した場合、失業保険を受け取るにあたって給付制限期間を確認しましょう。

自己都合退職だと、2ヶ月または3ヶ月の給付制限期間が設けられます。給付制限期間が過ぎて、やっと失業保険を受給できます。

給付制限期間中も、仕事探しやハローワークでの失業認定は必要です。ルールに従い、正しく失業保険を受け取りましょう。

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